見えてない食の裏側

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作り手の顔と原材料が見えない

私たちの身近な食べ物どこからどうやって食卓に来たか想像がつきますか?

例えば、大企業の大量生産された加工食品。仮にレトルトカレーを仮定してみましょう。(これは以前私が携わっていた実際の仕事です)

レトルトカレーを食べるときにそれがどうやって開発され、どんな原材料でとこで誰が作ったか知ってますか?ひとつひとつの原材料がどこでつくられ、どこにある工場で誰(従業員)が作ったか想像することなんて難しいのでは・・・。

製造される前に、開発するとこをからスタートするわけですが、開発者は美味しさを追求する以前に、いかに原価をおさえ、良く見せ、売れる商品をつくり、会社を儲けさせるかという前提をもっています。

主要原材料以外は産地の表示義務はありませんし、私が働いていた会社では安定した安い価格の外国産の野菜や肉を使うのは当たり前のことでした。

それが悪いとは言いません。食べたいときにすぐにしかも安い価格で手に入るところに新たな価値があるので必要としている人が買う。需要があります。

しかしそこには、作り手の食べ手への思いはほぼないのでしょう。

加工食品の原材料が加工食品

あるときミートボール入りの商品の開発に携わったことがあります。一からひき肉を捏ねて形成してという作業からスタートしましたが、人件費や材料費面から自社でミートボールを作るのでは利益が出しづらいという結論に達し、どんどんと安さを追求するあまり、どこかの会社から仕入れた冷凍のものになっていました。当然、味も心から美味しいといえるものではなく、開発に携わった自分ですらそのミートボールがどこでどうやってつくられたのか想像もつかないし、自分で買いたいと思えるいい商品にはなりませんでした。

加工食品の多くがこうして、いろんな加工食品を仕入れて二次加工、三次加工して作られているということです。

生産者と消費者との間に生まれるギャップ

消費者は安ければいいというわけでもなく、美味しい方がいいし、安全であってほしいし、便利でもあって欲しいし、健康にいいものであってほしいと願っています。

しかし、すべての願いを満たすのは難しく。便利なものを開発するためにはどうしても添加物を使う傾向にあるし、美味しいものを作るためには価格が上がってしまうことは仕方ありません。

生産者は消費者に買ってもらえなければ存続できないため、消費者が求めるものを作るのですが、現実はすべての忠実に作っていたのでは採算が取れないので、求められているものを再現しているように見せていると言っても過言ではありません。

それは生産者がいいように食品表示をつくることで、消費者をだましているようにも思われますが、結局それを買ってしまう私たち消費者側にも問題があると思っています。

だからこそ、消費者はもっと考えて消費行動をすべきだと思うし、私のような食の専門家が情報発信することで、それを学ぶお手伝いが出来たらいいなと思っています。

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